せっかくなので、簡単に書かせて。

ブログの書式とかテーマとか考えずに書いてもいいかな

心の声とニコレット

月曜日から実の弟が入院することになった。不調とってもどこが特別悪いというわけではない。しかし、一度気分転換にもなるかとすすめられ入院することにしたそうだ。家族もおおむね賛成。

そんなことがあるのか?病院のベッドだって限りがあるのだぞ。そう思う人もいるかもしれない。しかし、こちらの分野は大丈夫なようだ。

そこは心のサナトリウム。心の病と闘う人の場所だからだ。

 

僕は入院する

突然連絡がきて「入院することになった」というからこちらはとてもびっくりした。なにか病状に変化があったのかと思ったのだ。

以前より、薬の効きが悪いとは聞いていたが入院するほどとは思っていなかった。今回も急であったので特別な症状でも出たのかと思った。

しかし、話を聞くとそうでもなく。
心身の調子が全体に悪いので、入院してみて様子を見ようということになったらしい。

そんなこともあるもんだ。

入院にあたっての問題

入院という団体行動をするにあたり、問題がいくつかあるという。それは衣食住に関する制約を受けるということ。

病室は4人部屋だということ。

病室内での間食は時間制限があること。

たばこはもちろん所定の場所で、21時以降は禁止であること。

などなど。弟的にはたばこが一番の問題らしかった。なぜならそれは、頭の声が要求するからである。

頭の声とのたたかい

「頭の声」これはこの病気特有なのだが、本人曰く、本当にリアルに話しかけられるとのこと。個人のスキルというか知識の差もあると思うが、こちらの場合は客観的に見る力がないので「幻聴」であるとは認められないようだ。

「頭の声」はどんな調子かというと、「おい、たばこを吸え」「甘いものを食べろ」とえらく都合のいいことを言うのだそうだ。そしてその言葉に逆らうと「●●の病気を移すぞ」と脅しをかけてくる。病気といっても痒みだったり、お手洗いの回数だったり症状であることが多いのだが、本人は本当にそのような症状に悩まされることになるようだ。

症状と声の順序が定かではないが…

本人にとってそれは死活問題で、21時以降のたばこがないとどんな不快な仕打ちをされるかと気になってしょうがないようだった。

そこで姉の提案

吸えないなら電子たばこを…とか考えたけれどあまり良策ではないよね。ということで、ニコチンシールなども考えたが、口寂しさを紛らわすにはやっぱり何かを口に入れた方がいいかなと「ニコレット」を勧めた。

私はたばこをやらないので、この商品は調べたことがなかったが、医者にかかっているものは医者の許可などがいるようだ。

■■相談すること■■
1.次の人は使用前に医師,歯科医師,薬剤師又は登録販売者に相談すること
(1)医師又は歯科医師の治療を受けている人
(2)他の薬を使用している人 (他の薬の作用に影響を与えることがある。)

 他にも項目があるので、使用に関してはちゃんとページの内容を確認してほしい。

ニコレット

とにかく医者に許可をもらうように言った。

お医者OK

心強い、お医者さん「ニコレット」の部屋での使用を認めてくれた。21時以降は部屋での飴・ガムなどの嗜好品は禁止されているが、これは「指定第2類医薬品」だからだろうか。一応ガムなんだけどOKが出た。これは心強い。

心の声はどうでるのだろうと思ったが聞かないでおいた。弟が生み出している以上、おそらくであるが姉の提案になびいている以上、あまり不利な声はこないだろうと思えるからだ。入院してからの展開を待つことにしよう。

ニコレット高い…

それにしても、ニコレットってガムのくせに医薬品だけあって非常に高い。

私が見たものは、48粒で3,898円(Amazonプライム価格)、96粒で5,920円…なんとなく48粒だと損に感じてしまう…それにしても1粒61円!!たばこでも1本20円くらいではないか。3本吸える!いやいや、そう思ってはいけない。

しかし、たばこが吸いたい人にとっては、たばこを辞めるかわりに3倍のお金を払うなんて納得いかないのではないかな。

しかし今回は弟の入院プレゼントというか差し入れ的なものであるのでしょうがないとする。一日たりとも心の声に逆らうのが嫌ということで、私は必至に配送日の早いところを選んだ。

そして入院当日

弟からLINEが来た。「いよいよ入院当日です」などの言葉を期待していたのだが…

「入院はなくなりました、お騒がせしました」とある。なんだこれは。意味が全くわからない。これは病院側と家族側双方が進めたプロジェクトのはずだった。

微力ながら姉も応援していたというのに。

「病院の制約が多すぎてギブアップした」ということらしかった。なんとも情けない。そう思ってしまうのは身内であるからだろう。当人にしたら死活問題だったのかもしれない。できればそう高いハードルは超えたくないようだった。(今までも)

症状を収める、治す目的などすっかりどこかに消え失せて、病院の型にはまることを恐れてしまった。若いうちならまだ大丈夫だったかもしれない。しかし、ある程度年齢が高くなると自由を奪われることが耐えられなくなったのだろう。

このもやもやした気持ちとニコレットの処遇はいったいどうなるのだろう。

あほみたいに高いニコレット。たばこの合間に嗜まれてしまうのか。くやしい…